過食は意思の弱さではない
過食で悩んでいる人の多くは、
自分を責め続けてしまいます。
「またやってしまった」
「なんで自分はこんなに弱いんだろうか」
「意志が足りないのかな」
しかし、これは少し違います。
過食は、
あなたの“弱さ”で起きている現象ではありません。
深層心理では、過食は
自分を守るための[防衛反応]
として働きます。
つまり、[過食]とは
悪い行動でも
乱れでも
自分を傷つける行為でもなく、
身体が自分自身を守ろうとして出している
「アラーム」と同じ意味ということです。
ここを理解しない限り、
過食を責めても、
無理やり我慢しても、
根性論で止めようとしても、
根本は変わりません。
[火災報知器]が火事を知らせるための[アラーム]であるように、
[過食]という
[アラーム]が鳴っているということは
[自分が今ピンチの状態にある]
ということに気付くときなのです。
今は、自分を
[責めなければいけないとき]ではなく、
[自分を守ってあげなければいけないとき]です。
まずはそれを念頭に置いておいて下さい。
そして、
[今の自分はアラームが鳴るほどの
ピンチな状態にある]
ということを知ってあげてください。
過食にまつわる誤解
過食には[もっともらしい理由]がつきます。
ストレス
孤独
仕事の疲れ
食欲の強さ
甘さへの依存
しかし、これらはすべて
原因ではなく結果です。
なので、
「ストレスが原因なんだ」
「ストレスを解消しなきゃ」
「ストレスの耐性をもっと強くしなきゃ」
と思ったところで、全く改善しないのです。
それどころか、
[過食]は
その思考(根性論)だと更に悪化してしまう性質がある
ということを知っておかなければいけません。
それがなぜなのかと言うと、
先程[過食]は[アラーム]であると前置きしましたが
そこで、少し想像をしてみてもらいたいのです。
もし、火災報知器(アラーム)が鳴っている工場で、
「なんでどこにも火事なんて起きてないのにアラームが鳴るんだ」
「なんでこの程度の火事でアラームが鳴るんだ」
と、そんな風に勘違い(誤解)をした作業員が、
今まで通りの作業を続けていたとしたら
どうなるでしょうか?
そのままだとその工場は全焼してしまう
ということが容易に想像出来るはずです。
実は[過食]もそれと全く同じ考え方なのです。
[過食]が[アラーム]である以上、
絶対に過食の根本原因(出火原因)を無視してはいけないし、
根性論で今まで通りの生活を続けてはいけないのです。
とても大切なところなので、断言します。
過食の[原因]を[自分の弱さ]だと勘違いすると、
その勘違いが理由となって過食は余計に悪化します。
※もしくは拒食(逆方向)に転じて今度は拒食で苦しくなります。
なので、もし、
「過食の対策をしているはずなのに過食の悪化が進行している」
という状況に直面したときは、
自分の考え方を疑ってみてください。
[理性で無理やり過食を抑え込もうとすること]は、
[火事(過食)を余計に大きくすること]に等しいのです。
過食と向き合うときは、
[過食]はそれほどまでに大きいアラームである
(心が発している「助けて」の声である)
ということを知っておいて下さい。
それこそが、過食を終わらせるための最初の一歩になります。
身体が発している[アラーム]とは
大切なことなのでもう一度言いますが、
[過食]の原因は[意思の弱さ]ではありません。
むしろ、過食を理性で抑え込もうとするからこそ
余計強い反発を起こさせてしまうのです。
[過食]とは、言葉を持たない心が
身体を通して発している[アラーム]です。
ハッキリ言います。
心(深層)が発している「助けて」という明確なメッセージです。
なので、絶対に誤解しないで下さい。
なぜなら、ここで誤解をすると余計に過食が進行することになるからです。
先に結論をお伝えします。
[過食]のときに発せられている[アラーム]とは、
「もっと価値を増やさなければいけない」
「小さい人間だと思われてはいけない」
もしくは、
「絶対にバレてはいけない本音がある」
「これだけは絶対に隠しておかなければいけない」
必ずこのどちらかです。
「大きくしたい」
「隠したい」
過食が起きているときは、必ずこの状態になっています。
自分が悪いわけではない
ここから話がどんどんと核心に近づいていくのですが、
まずはその前にひとつだけ絶対に知っておいて欲しいことがあります。
それが何かというと、
[自分を責めなくていい]
[自分が悪いわけではない]
ということです。
これを聞くと、もしかすると
「いやいや、私は自分を甘やかしてるから過食になったんだよ」
「自分には厳しくしなければいけないんだよ」
そんな風に思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ここまでの話を一旦思い出してみて下さい。
冒頭からここまで僕がずっと言ってきているのは、
身体の反応の話であり、深層心理(構造)の話です。
僕はここまで、
「過食になったのはあなたのせいだよ」
「あなたが悪いからだよ」
などとは、一切言っていません。
なぜなら、本当に悪くないからです。
これが過食の事実です。
過食が[悪化]する原因は[誤解]です。
「私が悪いから過食が終わらないんだ」という誤解こそが
過食が繰り返し発生する原因なのです。
過食は、
[自分が間違っていたから]でも
[自分が悪いから]でも
[自分が弱いから]でもありません。
過食に対する[考え方]が間違っていたというだけで、
[自分]が間違っているわけではないんです。
ここで覚えておいて欲しいことは、
過食は誤解(原因の捉え方の勘違い)で進行していく
ということです。
過食の無自覚的な進行を食い止めるためにも、
「私が悪いわけではなかった」
という認識が絶対に必要になってくるので、
まずはこの段階でそれを頭の中に入れておいて下さい。
とはいえ、過食に対しての[考え方]は変える必要があるので、
それについて後半で詳しく解説していきます。
[防衛本能]だと表現する理由
話を戻しますが、過食のときに内部的に起きているのは、
「こんな自分のままではいけない」という
自己否定思考(自分という存在に対する過小評価)
です。
「小さい自分のままではいけない」
▶「価値を大きくしなければいけない」
「見つかってはいけない本音がある」
▶「バレないように隠さなければいけない」
だからこそ、
自分を大きく見せられるように脂肪がつき、
自分の内面を覆い隠せるように脂肪がつくのです。
過食の時に鳴っている[アラーム]には、
「他人から嫌われないように
本音を隠さなければいけない」
「他人から必要とされるように
もっと大きい人間にならなければいけない」
という意味が込められています。
他人から嫌われることで
自分が悲しい思いをしなくてもいいように、
「自分は自分のままではいけない」
「自分以外の人間にならなければいけない」
というアラームを発生させます。
[アラーム(過食)]を鳴らせてまで防ごうとしているのは、
[他人から嫌われること]であり
「悲しい思いをすること」です。
だからこそ、僕は[過食]を
[防衛本能(自分を悲しませないため)]だと
表現しているのです。
過食が発生する過程
[過食]と一言で言っても、
人によって状態(過食になる理由)は大きく違います。
落ち着きたくて食べる人
現実から逃げたくて食べる人
何も感じたくなくて食べる人
同じ「過食」であっても、
食べたくなる理由はまったく違うように見えるのですが、
実は、これらは全て同じ目的になっています。
それは、身体の構造を知るとよくわかるようになります。
人は食事をすると、普段、脳に送られている血流が減少し、体内に取り込んだ食べ物を消化・吸収するために胃に送られるようになります。
それによって身体にどんな変化が起きるかというと、
脳の機能が低下し、思考力が低下します。
だから、食後に眠たくなる(休息したい)という現象が起きるのです。
ここで、ひとつ考えてみて欲しいことがあるのです。
もし、[食欲が増大すること]に目的があるとしたらどうでしょうか?
もし、[思考が停止すること]にメリットがあるとしたらどうでしょう?
結論を言います。
思考が止まるメリットとは、
- パートナーに対する不満を忘れられる
- 上司に対する文句を忘れられる
- 思考が動いていたら言いたくなってしまうことを忘れられる
のように、
問題行動(不満の噴出)を起こしたくなる自分の
意識を止めることで自分の世間体を保てる
という共通点があるのです。
これ、
[自分の本音を隠せる]
[自分の価値を下げない(大きいまま)]
という効果があるように見えませんか?
身体は常に私を守ろうとしています。
私に悲しいを思いをさせないために、[過食]が私のことを守ろうとしてくれているんです。
なので、[過食]を悪者扱いしないであげて欲しいのです。
「お前のせいで私が大変な目に遭うんだよ」
なんて自分を責めなくていいのです。
それよりも、
自分に聞いてあげてみて欲しいことがあります。
「あなたは何をそんなに怖がっているの?」
「どんな自分がバレたら嫌われると思っているの?」
「どうしてそんなに自信が無いの?」
実は、過食の原因には
必ず[不安]が関係しています。
過食が止まらない[本当の理由]
[過食]は不安によって引き起こされます。
実際、過食のときは、
[必要以上にカロリーを身体に溜め込んでいる状態]と言えるはずです。
また、
・失うのが怖い
・今食べておかないと不安
・足りなくなるのが怖い
・余るほど持っていたい
こんな風に[失うこと]に対する恐怖があったりします。
身体は、今の私の内部の状態(精神状態・深層心理)をかなり的確にわかりやすく表現してくれています。
だからこそ、自分の身体(食欲)の読み解き方がわかるようになると、
自分自身に対する理解が深まっていくのです。
ようするに、過食のとき(身体が大きくなっているとき)とは、
太っていない自分
(何も持っていない自分・何も身に着けていない自分)
つまり、
素の自分(本当の自分)に自信が無いときです。
「ありのままの自分(太っていない自分)には
何の価値もないから価値をつけたい」
これこそが、自分の身体が過食方向に向かう理由です。
太らないと(増やさないと)不安なのです。
なぜなら、
「太っていない自分には価値がない」と
勘違いしているからです。
太ったから自信がない]のではなく[太っていない(元々何も持っていない)から自信がない]
実は、考え方が逆なのです。
「何も持っていないままの自分(痩せている自分・素の自分)には
自信が無いから、
だから自信をつけるために増やす(太る)ことにした」
これが正しい順番の考え方です。
つまり、
[身体が大きくなった体型だから自信が無くなった]のではなく、
[最初から自信が無かった]
これが事実なのです。
なので、体型を変化させること(痩せること)で
自分に自信をつけようとしても、
過食になる前から自信がないため
外見(体型・スタイル)だけを変えても自信はつきません。
むしろ、
[体型の悩み]とは、そもそもが
[体型が関係ない場所(本質的な自信の無さ)から生まれた悩み]のため、
[体型の悩み]を[体型の変化]で解決しようとしても
全然解決することはない
という状況に陥ってしまうのです。
問題の根本を正しく見極めることが
問題を根本から終わらせるために必要なことです。
まずは身体の仕組みをしっかりと理解するところから始めていきましょう。
[過食]は気がついたら自然に終わっている
心因性の過食(自信のなさ・不安からくる過食)の場合、
深層心理の状態が整ってくると、
自然に過食は終わっていきます。
「今までだったら絶対に足りない」
と感じるような量であっても、
[過食にならなければいけない理由(不安・自信のなさ)]が
根本から無くなってくると、
身体が「(少なくても)足りているよ」と判断するようになるので、
我慢をしようとしなくても
自ずと食べたい量が少なくなっていきます。
過食を早く終わらせたいのならば、いかに早く
[食べ物]から意識を外して
[本質(根本原因・自信のなさ・不安)]に意識を向けられるか
が大切です。
実は[過食]の理由に[食べ物]は関係ありません。
食べる量を減らしたとしても、その場しのぎ的な効果は出るものの、根本的な解決(食べたい気持ちの解消)には至りません。
根本原因は、身体がアラーム(過食)を発した[原因]の方であり、
「自信のなさ」なのです。
[過食したくなっている自分を責める]のではなく、
[太る前から存在している自己否定思考をやめる]こと。
これが過食を根本から終わらせる唯一の方法です。
明確かつ具体的な理由がある
ここまで、身体的な構造の話、深層心理の仕組みの話をしてきました。
そうすると、必ず
「じゃあ、結局、わたしはどんな自分のことを嫌っているんだろう?」
という疑問に行き着くはずです。
先に結論を言うと、必ず、明確な理由があります。
そしてそれは、自分の過去を遡ると必ず見つかる具体的な理由です。
ただ、その個人的な理由に関しては、性別や年齢、生い立ち、現在の環境、またはその人の個性・感性、その人が過去に他人から言われたことなど、ありとあらゆる要素によって変わってきます。
他の人だったら全然気にしないようなことを気にしていたり、
そもそも自分がそれを気にしていること自体に気付いていなかったり、
それぞれ個人によって全く経緯が違うため、ここで一概に
[〇〇をすると過食が終わるよ]という全員に共通する公式が無いのが実情です。
しかし、それは、個人的にお話をしてこれまでの経緯をお聞かせいいだき、こちらからする問いかけに答えていただくことで必ず具体的な理由として特定することは出来ますので、
自分の根本原因の解消さえ出来るようになれば
心因性の過食はちゃんと根本から終わっていく
ということを覚えておいていただければと思います。
まとめ:過食はあなたの弱さではない
ここまでを通して[本当に大切なこと]だけを最後にまとめます。
- 過食の原因と意思の弱さは関係ない
- 過食はアラームと同じ
- 「嫌われたくない」という防衛本能
- 誤解が過食を悪化させる
- [自分を隠す][大きく見せる]ために過食になる
- 自信のなさ・不安(セルフイメージの低さ)が根本原因
- 根本原因が終わると自然と食べられなくなる
- 明確かつ具体的な理由がある
これらを抑えておいていただければ、自分自身と向き合いやすくなると思います。
この本がどなたかのきっかけになれますように。
最後までお読みくださりありがとうございました。
自分を愛してあげてくださいね。
[ありのままのあなた]はそのままで素晴らしい存在だから。
