第0部 これから始まるいじめの根っこの話
── 心と歴史が絡みあう[見えない構造]をほどく
0-0. この本を読み始める前に
まず最初に、
みなさんと共有しておきたいことがあります。
それは、この本が、
加害者を養護する本でも、
被害者の痛みを軽く扱う本でも、
親や学校、先生を批判する本でもない
ということです。
なぜ、この[前提]を先にお話するのかというと、
本書では[いじめ]が発生するメカニズムについて
その全容を解き明かしていくからです。
加害者が読んでも、
被害者が読んでも、
教育者が読んでも、
親が読んでも、
誰がどの視点から読んでも理解が出来るように
わかりやすく丁寧に解説をしていきます。
ただ、それを実現するためには、
[全員で一緒]に
[最後のたったひとつのゴール]に
たどりつく必要があります。
そして、そのためには、
それぞれの視点を知っていく必要があるのです。
[いじめ]の根底はかなり深いところにあるため、
いろいろな視点から
総合的に掘り進めていかなければ
その本質にはたどり着けません。
本書は、最後まで読んだときに
全ての意味が回収できるように進んでいきます。
だからこそ、
絶対に全員で最後まで
たどり着いていただきたいのです。
そのために、
まずは[前提]からお話をさせて下さい。
みなさんにひとつだけお願いがあります。
第0部だけは、
自分の立場に合っている章を選んで
お読みいただきたいのです。
2つ該当している方は2つ、
3つ該当している方は3つ、
どれも該当しない方は
全てお読みいただければと思います。
第1部以降は、
みんなで足並みをそろえて
一緒に進んでいきましょう。
そうすることで、
新しい世界が開かれていきます。
第1部をみんなで一緒に始めていくために、
まずは自分専用の章から読み始めてください。
0-1. 被害者の方へ
この本は、加害者を養護する内容ではありません。
そして、
あなたがいじめられなければいけなかった理由を
説明するものでもありません。
いじめの被害に遭われた経験は、
今もなお心に深く刻まれていることと
お察しいたします。
深く傷つき、深く苦しみ、
今もなお頭の中から離れない出来事に
なっているかもしれません。
人は、攻撃をされると
つい反撃をしたくなってしまう生き物です。
でも、優しいあなたは、
[やり返す]ということを
してこなかったはずです。
「自分が悲しい目に遭ったから、
同じような被害者を生み出したくない」
そんな優しい心で
自分の心の中に小さく生まれた[悪魔のかけら]を
ギュッと押しつぶしているかもしれません。
それも、とても苦しいはずです。
本当はそんな苦しみからも解放されたいはずです。
それなのに、自分の頭の中によぎってしまうのは
「なぜ自分はあんなに悲しい思いをしたのに
やり返しちゃいけないんだろう?」
「わたしも同じ苦しみを味わわせてやりたいのに」
そんな苦しみも抱えているかもしれません。
この本は、
そんな苦しみを
根本から解放していくお話にもなっています。
読み進めていくと、
途中でどうしてもフラッシュバックのような現象が
起きてしまうかもしれませんが、
ひとつ、あなたにお約束します。
最後まで読み進めてもらえれば、
その苦しみを根本から終わらせる方法が
わかるようになるはずです。
どうか、それを信じて読み進めて欲しいのです。
あなたがあなたを心から救えるように
一生懸命書いていきます。
僕を信じて読み進めてみて下さい。
ここから一緒に歩いていきましょう。
0-2. 加害者の方へ
この本は、あなたを心から救うための本です。
この本を手に取ったあなたは、
つい最近、初めて
いじめをしてしまった方かもしれないし、
いじめの経験がある自分を
自責している方かもしれない。
もしかすると、
いじめをしてしまった自分の過去を
どう扱えばいいのかが
わからない方かもしれないし、
自分自身との向きあい方がわからず
ずっと頭を悩ませている方かもしれない。
でも、大丈夫。
この本は、
いじめに関わったことがある
[全ての人]を救うための本です。
あなただけではなくて、
被害者のことをも救済することが目的です。
そして、この世界から
[加害者]と[被害者]を
根本から無くしていくことを目的としています。
その上で、ひとつだけ、
あなたにお願いがあるのです。
もしかすると、この本を読み進めていったとき
過去のトラウマに触れてしまって、
本を閉じたくなってしまう瞬間が
来るかもしれません。
僕は、
あなたが本当は心優しい人間であることを
知っています。
だから、読み進めていくと、
「罪のある私は苦しまなければいけない」
「自責(自傷)を続けなければいけない」
「こんな最低な自分を許すわけにはいかない」
そんな風に、自分自身に
罰を与えたくなってしまうかもしれません。
なので、もしそう思ってしまった時に、
今から伝える言葉を思い出してみて欲しいのです。
「わたしも救われていい」
自分のことを殴りたくなってしまったときは
この言葉を思い出してみて下さい。
ただ、この言葉は、
すぐには受け入れることは
できないかもしれません。
でも、それでもなお、
ちょっとだけでいいから、
[小さな練習]をしてみて欲しいのです。
僕はあなたのことを救うことが目的です。
よかったら、
僕にあなたを救わせて欲しいんです。
もう一度言います。
この本は全ての人を救済するための本です。
あなたのことだけではなくて、
被害者の気持ちも考えている本です。
だから、安心して下さい。
そして、あなたも一緒に救われて欲しいのです。
そして、
[あなたが心から自分自身を愛せるようになること]
これが
この本を通してあなたに伝えたいことです。
ここから一緒に進んでいきましょう。
大丈夫。
自分に優しくしてあげても大丈夫です。
自分の罪を癒やしてあげても大丈夫です。
あなたは、本当は優しい人間です。
僕はそれを知っています。
だから、そんな自分を信じながら、
この後の話を読み進めてみて下さい。
あなたのことを絶対に置いてけぼりにはしません。
僕を信じて、ぜひ一緒についてきて下さいね。
あなたを救う旅に、一緒に進んで行きましょう。
0-3. 指導者の方へ
これからこの本を読み進めていく
学校関係者・教育指導者の方に、
ぜひ知っておいてもらいたいことがあります。
先にお伝えいたしますが、この本では、
[学校の存在意義]や
[国が学校を設立した目的]についても
取り上げていきます。
もしかすると、そのときに、
自分の存在意義や
これまで子どもたちに伝えてきたことを
否定したくなってしまう瞬間が
やってくるかもしれません。
でも、安心して下さい。
自責は必要ありません。
もし、自責をしたくなってしまったら、
[自分という存在が
子どもたちを苦しめている原因に
なったわけではない]
という言葉を思い出していただきたいのです。
実は、[いじめ]には、
歴史的背景がかなり大きく影響しています。
あなたがこれまで教師・指導者として
この国のために担ってきてくれた役割は、
この国がこれほど豊かな国へと発展するために
絶対に必要な役割でした。
この本は、
その役割を否定するものではありません。
むしろ、学校・教育機関の役割を
今まで以上に最大化することを目的としています。
なので、
どうか過去の自分を責めないでいただきたいのです。
もし、過去の自分を振り返った時に
自責をしてしまいそうになったときは、
[これから新しい選択肢を増やしていくこと]が
唯一の正解であると思い出して下さい。
もう一度お伝えいたします。
これまでのこの国には
[今までの学校の在り方]が絶対に必要でした。
それが間違っているという事実は
絶対にありません。
そして、
その意向に則ってきたみなさんには、
何の罪もありません。
僕が今日お話をしていきたいのは、
新しい時代を生きていくために
[新しい考え方を追加していく方法]
です。
どうか、それを念頭に入れて読み進めてください。
本書は、加害者と被害者、
そしてそこに関わる全ての人を
救済していくことが目的です。
本書を読み終えている頃には、
新しい世界観になっているはずです。
[みんなが心ひとつに迎えられるゴール]
を用意してあります。
ぜひ、最後まで一緒に進んでいってください。
0-4. 保護者の方へ
最初にお願いがあります。
どうか、ご自身のお子さん、そして
自分が今まで伝えてきたことを
責めたり、疑ったりしないでいただきたいのです。
これを読んでいる[親]の立場のみなさんは
おそらくずっと困惑し続けてきたはずです。
「何が間違っていたんだろう」
「何が悪かったんだろう」
「どうすれば防げたんだろう」
そんな風に
責めたくないはずの我が子を
責めるしかないような現実に見えたり、
愛する我が子を責めなければいけなかった自分を
自分自身が責めてしまったり、
[被害者]の親も、
[加害者]の親も、
ご自身の中に確実に存在している
[行き場のないやりきれない感情]に、
ずっと苦しめられてきたのではないかと思います。
この時点ではまだ信じられないかもしれませんが、
この本は、
[悪]や[苦しみ]を根本から排除することを
目的として進めていきます。
そしてその中には、もちろん、
[親]であるみなさんも含まれています。
この本では、
今まで自分の中に確実に存在していた
[行き場のないやりきれない感情]との
向き合い方と、
それを根本から解消していく方法を
お話いたします。
そのためには、
自責をすることなく、
最後まで読み進めていただく必要があります。
この本の目的は、
[全ての人を心から救済すること]
です。
加害者視点では、被害者への
[行き場のないやりきれない感情]が
ひっかかっているはずですし、
被害者視点では、加害者への
[行き場のないやりきれない感情]が
ひっかかっているはずです。
でも、きっと
この本を読み終える頃には、
今のその心に抱えている[モヤモヤ]を
根本から解消するための[希望への糸口]が
きっと見えているはずです。
どうか、そんな未来を信じて、
最後までお付き合い下さい。
自分自身と世界でいちばん大切な我が子を信じて、
最後まで読み進めていただければと思います。
0-5. 全ての方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
これでこの本を読み進める準備は全て整いました。
ここから、いじめの根底にある
今まで見えていなかった[仕組み]を
一緒に解いていきましょう。
焦る必要はありません。
ゆっくりで大丈夫です。
読み進めるために必要な[心の準備]は
この0部の中でお伝えしました。
全ての人たちが救われていく準備は
もう整っています。
さぁ、ここから
みんなで一緒に歩いていきましょう。
全てを読み終えている頃には、
新しい世界がすでに始まっているはずです。
第1部 いじめは悪意で生まれない
1-1. はじめに:加害は[悪意]では説明できない
いじめは「悪い子が悪いことをした」と
片づけられがちです。
しかし、実際の現場では
- 普段は優しい
- 周囲への気遣いができる
- 他者の痛みがわかる
そんな子が突然[加害に回る]というケースも
多いはずです。
そこには、
従来の心理学では語りきれなかった
深層の構造が存在しています。
先に結論からお話をしていきます。
[いじめ]は、加害者側の[救難信号]です。
いじめをしている子の中にあった
「助けて」が
[外側に現れたもの
(外部の人間に向けられたもの)]
に過ぎません。
その子の内面(深層心理・精神状態)には、
必ず
自己否定思考
(自責・自分自身に対する抑圧)
が存在しています。
(その仕組みについては後半で解説します)
その内面(心)に蓄積された抑圧が
[外側(他人)に噴出した状態]が
[いじめ]なのです。
いじめをしているその子自身も、
なぜ自分が人をいじめたくなるのかが
わからないはずです。
何が原因で
そのような衝動が沸き起こってくるのか、
なぜその子が
[いじめたいヤツ]に見えてしまうのか、
どうすれば
その衝動を終わらせることができるのか、
ただただ[わからない]だけなのです。
[本人にも説明のつかない何か]が自分の内側に
無自覚的に発生してしまっているのです。
「いじめをしたくなってしまう」
という気持ちは、「結果」です。
「火のないところに煙は立たない」
ということわざと同じで、
原因のない場所からは
「いじめたい」という衝動は生まれません。
人の行動には
必ず内部(深層心理)の理由があり、
いじめも例外ではないのです。
[いじめの衝動]は[結果]なので、
[別の場所(もっと深いところ)]に
根本原因があります。
なので、
どれだけ本人が理性的に我慢しようとしても、
どれだけ本人に冷静に
いじめをしてはいけない理由を説明をしても、
「いじめたくなった」という状態が
[結果]である以上、
その衝動を押し殺した(表面的に我慢した)
としても、
根本的な解決には至らないのです。
一旦、親や先生などの大人から
いじめをしてはいけない理由の話を聞いて、
その話を理解していじめをすることが
終わったように見えたとしても、
その子の内部的には、
いじめの衝動(内面の抑圧)が
残り続けてしまいます。
まずは、人間の構造上、
いじめに対する衝動は
理性で抑えられるものではない
ということを最初に知っておいて下さい。
その上で、
「じゃあどうすれば人をいじめたくなる衝動を
根本から解消ができるようになるのか?」
ということをこの本で解説いたします。
読み終える頃には[いじめ]に対する価値観が
根底からひっくり返り、
一本の線として繋がるはずです。
1-2. よくある誤解:[いじめ=性格の悪さ]ではない
[いじめ]について、
最初に抱きがちな誤解があります。
- 乱暴だから
- わがままだから
- しつけが甘かった
- 親の教育が悪かった
- 性格がねじれている
- 気が弱い子を狙う性質がある
これらは全て、
[原因]ではなく[結果]です。
これらはいじめの[原因]ではありません。
ここで、ハッキリと断言いたします。
いじめは[性格]の問題ではありません。
かつ、[親の教育]が原因でもありません。
いじめの原因は、
無自覚的に蓄積されてしまった
[内部の圧力]です。
「誰が悪かったのか?」
「どの教え方が間違っていたのか?」
そういう問題ではないのです。
これまでの考え方の[最大のネック]は
そこにありました。
── 必ず誰かを悪者にしなければいけない
いじめについて考える時に
必ず語尾につきまとい、
誰かを攻撃する負のループが
終わらなくなってしまう。
これこそが、今まで
[いじめ]を根本的に解決する方法が
見つからなかった最大の要因だと思います。
この本では、
その[最大のネック]を根本から解消してきます。
[いじめ]とは、
深層心理の構造上発生してしまった
[誤作動]であり、
[悪意]があるがゆえに発生したものでは
ありません。
[本人の中の煮えきらない感情が
本人の意図を越えて飛び出してしまった]
これがいじめに対する本書の前提です。
これから、
いじめを根本から解決していく考え方を、
いじめが発生するメカニズムから
具体的に解説していきます。
第2部 心の内部で何が起きているのか
2-1. いじめが発生する根本原因
ここから深層心理の解説に入ります。
加害側の子どもの内部には必ず、
「攻撃しなければいけない」
という概念が存在しています。
- 失敗してはいけない
- 弱さを見せてはいけない
- 嫌われてはいけない
- 相手に負けてはいけない
- 自分が悪く見られてはいけない
- 相手に舐められてはいけない
- 完璧で居なければいけない
- 本音を知られてはいけない
- 指摘されてはいけない
加害側の子どもの思考として、
このような考え方があるはずです。
それによって
- 弱さ
- 能力の低さ
- 甘さ
- 身勝手さ
- 寂しさ
- 逃げたい気持ち
- 不器用さ
- 幼さ
- 弱音
- 劣等感
- 嫉妬
- 異常さ
- 本音
これらに対して
「攻撃しなければいけない」
という認識を自覚・無自覚問わず
しているはずです。
これは「あなたが悪いんだ」と
指摘をするものではありません。
[人は誰でも自己否定を抱えると内側に敵を作る]
という深層心理の構造を説明しているものです。
そして、そのように自分の内面に
「自分の中には攻撃しなければいけない部分がある」
という思考(概念)があると、
自分が押し殺している部分を
押し殺していない[他人]に対して
「攻撃したい」
「いじめたい」
という衝動が生まれてしまいます。
これこそが
[いじめ]が発生するメカニズムです。
[自分の内部で攻撃している自分の性質]と
[いじめの対象となる子ども(他人)の性質]は
必ず一致する。
これが、
[いじめ]が生まれる真実です。
つまり、
[いじめは悪意で生まれる]という話ではない
ということです。
いじめられる子は、何も悪くありません。
いじめをしてしまう子が嫌っている
[自分自身の部分(性質)]を、
いじめられる子が持っている
(そんな自分を大切にしている)
というだけで、
いじめられる子に
[いじめられなければいけない理由]は
一切無いのです。
[いじめ]とは、実は
自己否定(自分を追い詰める思考)によって
行き場を失ってしまった時に発生する
[心の暴走]
なのです。
2-2. 心の暴走を防ぐ方法
ここから、本書の中でも
特にお伝えしたい[核心部分]に入っていきます。
説明をするために難しい言葉は不要なのですが、
[深い]という理由で混乱するかもしれないので、
ゆっくりと丁寧に解説していきます。
2-1.の中で、
心が暴走する理由として
- 弱さ
- 能力の低さ
- 甘さ
- 身勝手さ
- 寂しさ
- 逃げたい気持ち
- 不器用さ
- 幼さ
- 弱音
- 劣等感
- 嫉妬
- 異常さ
- 本音
そんな自分に対して
「攻撃しなければいけない」という概念があるから
と書きました。
では、
どのように考えていけば
心が暴走せずに自分を高めていけるのか?
その結論をお伝えします。
詳しい説明は丁寧にしていくので、
まずは雰囲気を掴んで下さい。
それが何かというと、
人間関係は、必ず
否定で悪化し、肯定で改善する
ということです。
この[否定]と[肯定]の違いを
認識できるようになると、
かなり見え方が変わるはずです。
言葉にすると、
否定
「今の自分はダメだから消す」
肯定
「ダメなところを認め、伸ばせるところを伸ばす」
このような違いになります。
そして、それは
否定▶自分を否定して成長する
肯定▶自分を肯定して成長する
このように言い換えることも出来ます。
目的が[成長]の場合、
これら二つはあまり違いが無いように見えますが、
本人がやるべき中身(内面)は
大きく違ってきます。
否定での成長
▶自分の嫌いなところを排除することが目的
肯定での成長
▶自分の苦手を認めて得意を伸ばすことが目的
こう書くと[やるべきこと]が
大きく違うことをご理解いただけると思います。
と、ここまで話を踏まえると、
もう一つみなさんに
お話しなければいけないことがあります。
それが、
[学校の存在意義(目的)]の話なのです。
第3部 学校の存在意義
3-1. なぜ学校はこういう形になったのか
実は、
[学校の存在意義]が
[いじめ]に大きく関係しているのです。
ただし、それは
「学校の存在が悪い」
「学校が教えていることが間違っている」
「先生の指導が悪い」
ということではありません。
確かに教師も人間である以上、
ミスが起きる可能性自体はあるかもしれませんが、
この本が取り上げたいことは
そのようなことではなく、
学校が生まれた歴史的背景、
そして、
日本(国家)にとって
学校が無ければいけない理由(存在意義)を、
私たち国民が正しく理解しておかなければ、
[いじめ]が生まれる根本理由を理解できない
ということなのです。
話が脱線しているように見えますが、
これはかなり重要なことなので、
ここについても丁寧に解説していきます。
まずは、
[学校]という場所は、
社会においてかなり特殊な環境である
ということを認識しなければいけません。
もっと極端に言うのなら、
(資本主義)社会の中で唯一の異常な環境
と表現することも出来ます。
それがどういうことなのかを説明していきます。
ただ、この話を進めていく上で、
ひとつだけ
認識していただきたい[前提]があるのですが、
大人が普段生活している社会では
[自分が苦手なこと]は他人と自分を不幸にする
という概念です。
3-2. 子どもが社会で幸せに生きるために必要なこと
例えるならば、
[運転が苦手なタクシー運転手]がいるとします。
その場合に考えられることは、
- 道を間違える(料金が余計にかさむ)
- 乗客が乗り物酔いをして気分が悪くなる
- よく車をぶつけるので修理費がかさむ
- 利用者からのクレームが増える
- 社内での評価が下がり給料が増えない(減る)
こんな結果になることが想像できるはずです。
つまり、社会(大人)の大前提として
[苦手なことを仕事にしても誰も幸せにならない]
という事実があるのです。
でも、
その社会のルールが唯一適用されない場所があり、
それが[学校]なのです。
それどころか、
[学校]は
苦手を克服したことで評価が上がる唯一の場所
でもあります。
「国語と社会は得意だから点数が高いけれど
算数と理科が苦手だから点数が低い」
「平均点を高めるためには
苦手な教科を勉強しなければいけない」
こんな思考を
全ての児童(生徒)が持っているはずです。
これが先ほど僕が[異質]だと表現した理由です。
ここで大切なことは、
[社会の中で適用すると
自分と他人を不幸にしてしまう考え方]を
学校で[当たり前]として学んでしまう
という事実を知っておくことです。
ただ、これは学校の存在そのものを
否定する意見ではありません。
学校には、
[社会性を身につけるための練習をする場所]という側面があります。
そして、
学校で身につけた[社会性]や[学力]は、
それが自分の個性(才能)と
合っている人にとっては、
将来的に自分の人生を
強く後押ししてくれる大きな力にもなります。
僕が言いたいのは、
学校が[悪い]ということではなく、
学校は
[存在意義を理解して正しく使うこと]が必要
ということです。
日本の学校は、
世界的に見てもかなり優れている環境です。
給食が支給されたり、
パソコン(タブレット)が支給されたり、
グラウンド整備されていたり、
[学びの環境]としてかなり優れているのです。
だからこそ、学校でのメリットを、
子ども(国民)がしっかりと
受け取れるようになるために、
学校について
正しく認識しておく必要があるのです。
3-3. 学校が担ってきたもう一つの大切な役割
実は、
学校には[存在意義]としてもう一つ、
[国家のために国民を育てる]
という役割があります。
一見すると
[いじめ]とは関係ないように見えますが、
このもう一つの役割について
理解ができるようになると、
[いじめ]についての理解が
より一層深まります。
現代は、戦争が終わってから
約80年ほど経っているので
あまりイメージはしにくいかもしれませんが、
現在の[学校]の前身が
[軍隊学校]であることを忘れてはいけません。
当時の日本は、
上官の命令に従う兵隊を
たくさん育てなければいけませんでした。
なぜなら、戦争に勝てないと
殺されてしまうからです。
戦争に負けるほど、
国家がどんどん侵食されていってしまう時代では、
なんとしても
国力(兵力)を上げる必要がありました。
それが故に、
[絶対命令]を
全ての子どもたちに教え込む必要がありました。
「国家に従う国民を増やすこと」
それが、当時の日本が
[(軍隊)学校]に求めた役割なのです。
その後、日本は敗戦し、戦争が終結しました。
すると、そこから
学校の[存在意義]が変わっていきました。
終戦後の学校の役割は、
[国家に貢献できる国民を増やすこと]です。
つまり、学校の目的は、
勤労・納税・教育
となり、
これが現代の学校の[存在意義]になったのです。
[戦争]という争いこそ終わりましたが、
時代が進むと今度は、
資本主義社会の中での
[お金での競争]が主軸になりました。
国家としては、国家存続・繁栄のために
「納税の義務をしっかり果たして欲しい」
「そのために働いて欲しい」
という目的があります。
そのためには
弱い心(勉強・仕事をサボりたい気持ち)を
克服し、
より素晴らしい商品・サービスを生み出すために
賢くものごとを考えられる思考力を育て、
納税の義務・会社のルールに
従ってくれる国民を
どんどん増やしていく必要があります。
これが、
[学校の存在意義]であり、
[国家の存続に絶対に必要な概念]です。
ただ、それが
[いじめ]の原因である
というわけではありません。
この社会の仕組みをしっかりと知っておくことが
いじめを根本から終わらせるために
必要な話なだけで、
学校がいじめを生み出した諸悪の根源である
という話ではありません。
ここから、
これまでの伏線を回収して
[ひとつの答え]へと向かっていきます。
第4部 悲しい歴史が心に与えてきた影響
── 悲しい歴史を終わらせるために
4-1. 国民と国家の目的は同じ
話が膨らんでいるので、
一旦ここまでの話を整理します。
- いじめは悪意で生まれるものではない
- 性格は関係ない
- 親のしつけのせいでもない
- 学校は集団性を身につける場所
- 否定(ダメを消す)と肯定(ダメを認めて個性を伸ばす)
- 学校は異質(苦手が褒められる)な場所
- 苦手を仕事にすると自分も他人も不幸になる
- 学校には従える国民を育てる側面がある
- 国家は優秀な国民を育てなければいけない
これらを総合的に考えていくと、
最終的には
国民▶個性を生かして、自分の人生を楽しみたい。
国家▶国民に活躍して働いてもらい、納税して欲しい。
という結論に行き着き、
国民と国家の願望が共存できる
ということがわかります。
ここからは、
[いじめ]ひいては
[人と人の不要な衝突]を
根本から終わらせる方法へと進んでいきます。
実は、僕達のご先祖様たちも、
悲しい時代の中で自分の心を
[いじめ]るしか方法がなかったんです。
そして、僕たちは今、幸いなことに、
その負の連鎖を終わらせられる時代を
生きています。
4-2. 否定と争いを終わらせる
つまるところ、僕たちは
不要な争いや奪い合い、
足の引っ張り合いをせずに、
「自分の人生をただ幸せに生きていきたい」
というだけだったりします。
そうなると、
最終的に行き着く問題は何なのかというと、
じゃあ、どうすればみんなが幸せになるのか?
どうすれば
加害者(搾取する者)と
被害者(される者)の関係を終わらせられるのか?
全てがここに集約されていきます。
結論はひとつです。
それぞれが自分の短所と長所を正しく認識し、
自分の内面を否定せずに自分を肯定して生きていけばいい
本当にたったこれだけなのです。
僕達が生きている現代社会になるまでは、
地球の歴史的背景として
何千年というとても長い時間の中で
「殺し合い」が余儀なくされてきました。
だからこそ、この本の2-1で書いた
- 弱さ
- 能力の低さ
- 甘さ
- 身勝手さ
- 寂しさ
- 逃げたい気持ち
- 不器用さ
- 幼さ
- 弱音
- 劣等感
- 嫉妬
- 異常さ
- 本音
これらを、
これまで地球で生きてきた全人類が
自分たちが生きていくために
絶対に克服しなければいけなかった
という都合があるんです。
そして、
「そんな自分を押し殺さなければいけない」
「そんなわがままを言っている場合じゃない」
「それが出来ないと生きていけない」
「殺されてしまう」
そんな現実の中で生きてきてきたのは、
実は、
そんなに遠い昔の話ではなく、
たった80年前の話なのです。
つまり、僕達の
親の親の親のくらいの話で、
言ってしまえば[つい最近の話]です。
親は、必ず
子どもに「良かれ」と思ったことを教えます。
- 強く生きていくために絶対に必要なこと
- 殺されないために絶対に強くあること
- 負けないために絶対に知っておくべきこと
そんなことを、
子どもの幸せを願う親が
大切な我が子に何代にも渡って教えてきたのです。
この国に生きる人々は、つい最近まで、
そんな教えが生きるために絶対に必要でした。
自分の弱さ(欠点)を絶対に克服すること
それこそが、僕達人間が生きるうえで、
[大切な我が子を幸せに生きさせるため]に
絶対に身に着けさせなければいけない思考
だったのです。
だからこそ、
[学校]が
[生きるために弱さを克服させる役割]
を担ってきたのだと思います。
でも、今の時代は、そこから長い年月が過ぎ、
社会全体が大きく成長し、変化をしてきました。
僕達が今生きている社会は、
先人たちがずっと夢に見て憧れていた
[自分らしく生きられる時代]です。
・自分らしく生きる
・自分の個性を生かして活躍する
・生きたいように生きられる
それらを
ようやく叶えられる時代になったのです。
だから、実はもう、
自分の欠点を克服しなければ生きられない
という時代では無くなったんです。
4-3. 新しい時代を生きていくために
新しい時代になり、
これまで何千年と終わらなかった
[自分らしく幸せに生きられない]
という悲しい負の連鎖
を、ようやく根本から終わらせられる
準備が整いました。
僕は、現代社会に残る[いじめ]とは、
自分らしく生きられなかった時代の
[悲しい名残り]だと思っています。
これまでの時代の流れを考えた時、
[自分の弱さを肯定する方法がわからなかった]
というよりも、
[自分の弱さを肯定するわけにはいかなかった]
と表現する方が近いのかもしれません。
僕は今39歳になりますが、
僕が小学生の頃ですらギリギリ体罰がありました。
(中学生時代に僕も他人の流れ弾で殴られた経験があります)
それに比べると、
時代はかなり[優しい方向]に
向かっているように思います。
ただしーーーー
その代償として
(そう表現するのが正しいのかはわかりませんが)
自分の個性を活かさないと生きられない時代
にも、なってしまったのかもしれません。
今までの時代は、極端な話、
[言われたことに従う]だけで
そこそこ評価される時代でも
あったように思います。
ところが、現代社会では、
[自分の個性を活かす]
という生き方をしなければ、
高評価を得られないように
なってきてしまいました。
つまり、これからの時代は、
学校を卒業した後に
自分の人生を大人として歩んでいく
ということを考えた場合、
自分の苦手を克服するために
貴重な時間を割くのはもったいない
ということになるのです。
というか、
いかに早く自分の
[長所]と[短所]を見極めた上で、
[短所を無くすこと]ではなく
[長所を活かしていくこと]に時間を割けるか
が、
自分の人生を
自分らしく輝けるかどうかを
大きく左右することになるのです。
もしかすると、
既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
実は、
[いじめの終わらせる方法]と
[これからの新しい時代を幸せに生きていく方法]は
全く同じなのです。
ここから、最後のまとめに入っていきます。
第5部 新しい世界へ
5-1. 子どもが輝けばいじめは勝手に無くなる
最後に、この本の結論ひとつ、ハッキリと断言いたします。
[いじめ]は、
子どもが自分の個性を認めて
自分らしく輝いて生きられるようになった時、
必ず終わります。
なぜなら、
自分の個性(短所と長所)を
認められた子どもは、
[他人をいじめたい]という衝動が
発生しない状態になるからです。
第1部からの冒頭の話を思い出して下さい。
いじめの根本原因は、
その子の個性のせいでも
親のしつけのせいでも
先生が間違って教えたからでも
学校のせいでも
なかったはずです。
人が自分自身の
- 弱さ
- 能力の低さ
- 甘さ
- 身勝手さ
- 寂しさ
- 逃げたい気持ち
- 不器用さ
- 幼さ
- 弱音
- 劣等感
- 嫉妬
- 異常さ
- 本音
これらの性質を
[否定したからこそ生まれた反動だった]
と説明をしてきました。
もしそうであるのなら、
[自分が自分であること]を
短所も長所も全部まとめて
根底から全て認めてあげれば、
[いじめ]の火種は
根本から解消していくことができるのです。
そして、その方法は
自分の短所を
無くしていくような生き方ではなく、
自分の長所を
どんどん伸ばしていけるような生き方へと
根本から変えてあげることになっていて、
そして、それはそのまま
自分らしくこの社会で輝いていく生き方
自分と他人を両方とも幸せにしてしまう生き方
にもなっています。
5-2. 全ての子どもは素晴らしい
語弊を恐れずに言うと、
- いじめ
- 争い
- 衝突
実は、
これらの根源は[誤解]から生まれるものです。
「自分の中の〇〇が許せない」
「そんな自分を認めてはいけない」
「これがバレたら生きられない」
そんな恐怖から生まれた[自己否定]が
そもそもの原因なのです。
だから、
間違った[勘違い]を解いてあげればいいのです。
- 弱い自分はダメなんだ
- 自分勝手じゃダメなんだ
- 言うことを聞かなければいけないんだ
- わがままを言っちゃいけないんだ
- 自分らしく生きちゃいけないんだ
それが勘違いの原因です。
弱くてもいいんです。
ダメでいいんです。
できなくてもいいんです。
なぜなら、
それが人間本来の姿だからです。
自分が苦手なことは他人から補ってもらえばいい。
自分が得意なことは他人にしてあげればいい。
それは
現代の大人たちが生きている社会の
[絶対法則]なのです。
得意な人が苦手なことを救ってあげ、
苦手なことを得意な人に救ってもらう。
これさえ出来れば
僕達人間はみんなで幸せに生きていけるんです。
この社会で幸せに生きるために必要なことは、
[役割分担]です。
苦手なことは苦手なまま、
もしくは必要最低限だけに抑えたまま、
自分の長所を伸ばしていけばいいんです
なんでもかんでも
全部ひとりでできるようになる必要はありません。
優しい世界になったのだから、
自分の欠点は他人に補ってもらえばいい。
それが
この社会における[仕事]の本来の役割なのです。
自分を[否定]する前提で考えていくのではなく、
自分を[肯定]する前提で考えていく。
それが世界中に浸透した頃、
この世界から不要な[いじめ]や[争い]は
キレイさっぱり根底から消えているはずです。
5-3. 私の子どもは素晴らしい
[本当に強い人]とは、
[弱さをも受け入れられる人]です。
だから、欠点を認められる人ほど
自然と人間の器が大きくなっていきます。
[自分らしく輝く人生]は
[認めること(肯定すること)]から生まれます。
だから、
否定なんてしなくていい。
弱いままで生きていけばいい。
それが出来る人が
[本当に強い人]だから。
子どもは、必ず
お父さんとお母さんの二人の遺伝子を
半分ずつ持って生まれてきます。
だから、お父さんとお母さんが
それぞれ[自分の個性]をわかっていれば、
お父さんとお母さんがそれぞれ
自分の[長所]と[短所]の
付き合い方(活かし方)をわかっていれば、
二人を足して二で割った子どもが
二人の間に生まれてくるので、
どんな風に生きていけば
自分らしく輝いて生きていけるのか
それを親自身がわかっているだけで、
自分たちの経験で得た[幸せに生きるコツ]を
そのまま子どもが半分ずつ使えるのです。
子どもが起こす[いじめ]は、
お父さんとお母さんと子ども自身が
幸せな生き方を見つけるための
大きな[ヒント]になります。
起きてしまった過去は変えられないけれど、
これから作られていく未来は変えられます。
[いじめ]は必ず終わります。
絶対に終わらせられます。
もし、いじめの加害者と会うことがあったら、
その子を信じてあげて下さい。
そして、悲しみの負の連鎖は
根本から終わらせられることを知っていて下さい。
だから、親も本人も
決して不安にならなくていいのです。
信じてあげるんです。
「私の子どもは素晴らしい」
「私の子どもなんだから素晴らしい」
そんな風に我が子を見てあげて欲しいんです。
そしてそれは事実です。
だから、一切の疑いを排除して
根本から信じてあげて下さい。
その子はただ必死に生きようとしていた
だけでした。
自分らしく生きる方法がわからなかっただけで
[悪意のある悪い子]として
生まれたわけではありません。
改善させるために
悪いところを探すのではなく、
欠点の指摘をするように
常に見張っているのでもなく、
その子の素晴らしいところ
その子の強いところ
その子の優しいところ
その子の苦手なところ
その子の弱いところ
全部ひっくるめて愛してあげて大丈夫です。
「自分を全部愛せるようになりたいよ」
これがその子の苦しみです。
だから、その凍った心を溶かしてあげるために
全部愛してあげて下さい。
そうすると、
その子どもにひっぱられるように
もしかすると
お父さんとお母さんも
「本当はわたしも
自分のことをちゃんと愛せるようになりたかった」
そんな風に気付くことがあるかもしれません。
本書の結論はひとつです。
[いじめ]が起きてしまうとき、
誰も悪くありません。
だから、責めなくていい。
大丈夫。
ちゃんと終わっていくから。
否定ではなく、肯定をする。
変えさせるのではなく、そのままを生きていく。
それが出来ればちゃんと終わります。
そして、それが終わった頃には
素晴らしい[その子本来の姿]に
戻っているはずです。
もし、具体的な向き合い方がわからなければ
いつでも話しかけて下さい。
具体的な向き合い方を一緒にお探しします。
優しくしてあげていいからね。
悪い子じゃないんだから。
叩くのではなく、手を伸ばしてあげましょう。
そして手を繋いであげましょう。
信じて下さい。
大丈夫ですから。
最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
